原因から結果を予測する―これは、順問題。結果から原因を探る―これが、逆問題だ。古典物理では説明不可能な現象が顕在化しその限界が意識され始めた19世紀末頃から、観測結果に基づいて現象の原因を決定する逆問題の発想による研究が始まった。第1章 逆問題とはなにか第2章 史上最大の逆問題第3章 振動の逆問題第4章 プランクのエネルギー量子発見第5章 海洋循環逆問題第6章 逆問題としての連立1次方程式第7章 逆問題のジレンマ第8章 量子散乱の逆問題原因から結果を予測する――これは、順問題。結果から原因を探る――これが、逆問題だ。古典物理では説明不可能な現象が顕在化し、その限界が意識され始めた19世紀末頃から、観察結果に基づいて現象の原因を決定する、逆問題の発想による研究が始まり、大きな数学分野に成長した。本書では、「プランクのエネルギー量子の発見」「恐竜絶滅の謎」「海洋循環」などの興味深い実例を取り上げて、「逆問題」の考え方解説する。「逆問題」とは、「結果から原因を推定する」数学の一分野のことです。古典物理学で説明不可能な現象が顕在化し、その限界が意識され始めた19世紀末ごろから、観測結果に基づいて現象の原因を決定するという、逆問題の研究が始まり、大きな数学の研究分野に成長した。 これに対して、「与えられた原因から起こり得るべき結果を予想する」のが、通常の問題で「順問題」と言います。 例えば、静かな水面に石を投げ入れるとき、その石の質量や形状、速度などの情報から水面に生じる波紋の様子を予測するのが「順問題」で、逆に、水面に生じた波紋のデータから投げ入れた石の質量や形状、速度を割り出す問題が「逆問題」です。 この「逆問題」の考え方は、応用数学の中で、現在最も注目され利用されている分野です。X線
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